2018年09月24日

棒族の話

2年前にはここまで多く見かけなかったと思われる種族が、今年は激しく目につく…

棒族。

いつでもどんなルートでもなんでもかんでも…

全てのクリップを、トライもせずにチータスティックでクリップして終了点まで登る“族”が多発している……

夏に行ったライフル(アメリカ、コロラド)でも、族はたくさんいたけど、ここスペインでも、族の勢力が急速に増えてるように感じる。

棒族の所持する、超絶に長い棒でも届かないクリップがあると、速攻そこで降りて、そのルートはもうやらない…

ぶらぶら長い棒を腰にぶら下げて、トップロープ状態でも落ちれば、腰の長い棒もバビューーーンって振られてて…大丈夫なのか〜〜?って思う(笑)

ムーブがお話にならないくらい出来なくても、どんどん上へ上へとごぼう登りで上がって行く…

なにがしたいんだろ??


クライミングは自由なものだけど、最低限の、暗黙だけどあるべき姿ってものがあるんじゃないかと私は思っていて、それにこだわったり、克服することが難しかったり厳しかったり楽しかったり…

越える事、それらに向き合う精神論は、口うるさいオバはんと言われようとも言いたい。

私たちの世代が、そういった時代があって、クライミングの文化もそれに準じたモノだったって事を伝える老体が全員死んだら、考える事、選択するものが、楽で都合のイイものばかりになってしまいそう……

そういう時代を知ってて、“最短” や “結果重視” を選ぶのは、自由だし、悪い事ばかりでもないかも…とも思うから、知ったうえで次世代に向かってほしいよな、って思う。

「昔の人よりいろんな部分が進化して、情報も溢れてて正確で…こんなに便利で楽になってるんだから自分はもっと頑張れるはずだ」って思いながらヒマラヤを登ってた、山屋時代を思い出したりもした。
速乾性のウエアーや、軽量化の進んだ装備と大昔のキスリングや布のテント、ぺミカン食ってたの!?重っ!!ってことを知って、比べれば、今の装備でより難しいラインやスピードあるクライミングを目指せなかったら、「完全に昔のクライマーに負けてんじゃん!」って、イイ意味で自分を鼓舞してた。
そういう気概でこれからの時代のクライマーが、クライミングで世界最難とかを押し上げるツールになるなら悪いだけじゃないとも言えなくはない?とも思ってはいる。
話がズレたけど…(笑)

自分の弱さを正論化するために楽な方に流されるのは、なんだかなぁ〜〜、って感じた。

精神論や根性論を嫌い、馬鹿にする人って多いけど、これらって基本だと思う。

精神論が、フィジカル以上に大切なのがクライミングであるといっても言い過ぎじゃないと、私は思う。

クライミングの掟であり、崇高なものって叩き込まれてきた多くの倫理観や哲学、そこが好きで続けてきた古い時代の我々には、今時の時代の変化は驚愕…

誰が何してても個人の自由だけど、棒族の話で言うならば、ランナウトの恐怖に耐えながら、1手探るのにも、いちいち “臨死体験” くらいの “死んだ!”感を感じながら、ふり絞って手を出してゆくことや、繰り返し頑張った挙句、やっとの思いでムーブを発見することや、そのパートに…実質の時間は余ってても、気力やフィジカルを使い切るという意味で1日を費やし、指をミンチにして、肉体と魂をささげ、ボロカスになるまでトライすることがクライミングなんですよ。と教えてあげたい(笑)

実際昨日は、ムーブこなさないと先に進めない距離核心のパートを、確実に自分のものにしたくて頑張ってた私のトライ後、そうやっていろんな高難度に取り付いては中途半端に諦めてはあっちこっちと8台を “ごぼう” してるクライマーが、私がトライ中のルートを始めだしたから、どえ〜〜〜〜〜!だ(笑)

それよりも易しいルートを敗退してるのを見てたので、やるの???って感じもあったし、普通ならしないだろう選択に、同じ時代を登って来た輩はみんな、?????て感じ。

よくある事なんだけど、私が取り付いてるルートは、あんなチビがムーブ出来てるくらいだから、お買い得や、易しいルートだと思うみたいで、他に腐るほどルートが有って空いてるのに、ピンポイントに狙われ取り付いてくる(笑)

で、すぐにやめちゃうクライマーの多い事…(笑)

ん、まったく〜〜〜、人を見かけで判断するのはやめましょう!!といつも思う。

誰がどう思ってやるのも自由だけど、やるなら、気合と覚悟を持ってまじめにやれ!!とは思う。

そういう、“観光気分” の人が取り付いてる時間、まじめに頑張りながらトライして来た人は、待たなきゃならないんだから。

それが、棒族による、棒ごぼう登りだと、さすがに違和感あり過ぎてちょっと腹立たしい…(笑)

多くのまともに頑張ってるクライマーが、怖さと向き合って、手を出し出し出し出し、ひえええええええぇーーー!!と、モグラ叩きの後に、臨死体験を食らって、ポンピングを繰り返しヘロヘロになるパートを、労せずして抜けて行くって……まあ、全くムーブは出来てないっていうか、強傾斜なので、ムーブを試すことも出来てないけど、それもまた、じゃあなんでやるんだよ!?って思う(笑)


棒を手にした民族は、その安易で快適?な暗黒面から抜ける事は出来なくなるかの如く “クライミング” をしていない。

棒を持った時点でクライマーに戻れなくなる怖い世界…マジ怖い(笑)



もちろん、使うことを全否定はしてない。

そういう設定のルートは使うけど、使わないでも行けそうかやめた方が良いかくらいは一旦考える。

使う時も、使わないで済む高い能力があれば、面倒くさいから使わないで済むのになぁ〜〜と、もっと強くなりたい!といつも思う。

他の誰かが、怪我と秤に掛けて迷ってるなら、使ったほうがいいよっていうし、それがいいと思う。

これをそういうスタイルで登ってる人がいて、それが通常なら…
いつか自分もそういう風に登れるクライマーになりたい、と思いながら努力と向上を胸に歩けばいいと思う。

もしくは、自分にはそれが最大の頑張りで、怪我ができない立場だったり、そもそもそこまで考える気もない人はマイペースで楽しめばいいと思う。


数字や成果よりも大事なものがクライミングにはたくさんあるから。




話とは関係ないけど、イイ石見つけた特集。

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我々が見つけた、ワレワレ石。別名、おかき石。





posted by ユカジラ at 02:51| 日記